丸高農園さま

やっぱり、愛だなぁ。

 葡萄 柑橘類の樹 何種類ものお花やハーブ それに大きな茶の樹。何種類もの植物がお庭に植えてあります。葡萄は美味しそうな実を揺らしているし、ミントはピン!と張りのある葉を茂らせて、大きな茶の樹は幼木に木陰を作っています。整然としすぎず、生活の一部に取り入れられてるに違いないこのお庭を見て、「だからあの烏龍茶作れるんだなぁ」と妙に納得した私でした。

印雑のチカラに初めて会ったのは、静岡茶市場のイベント会場で静岡の和烏龍茶飲み比べ体験をした時でした。何種類もの烏龍茶が小さな湯呑みに注がれるのですが、この烏龍茶が注がれた瞬間に、ふわぁ〜とあま〜い桃のような果物の香りを感じました。飲んでみると、烏龍茶特有の渋みのようなキリッとした部分があまりなく、優しい味で、どこか煎茶を思わせるような風合いで、「これ好きだなぁ」っと瞬時に心を掴まれました。当時、鈴の茶に烏龍茶は少ししか置かないでおこうと思っていたのですが、こんな烏龍茶が日本にあるのなら、やらないわけにはいかないじゃないか!っとスイッチが入り、そこからはあちこちの和烏龍茶を取り寄せて飲み始めたのでした。

 丸高農園の先代 茶園主はとにもかくにも植物がお好きだったそうです。お茶やお米も品種を改良したり、栽培方法を工夫してみたり。植物に愛情と情熱をかけていらっしゃったとのこと。約25年前には、静岡では珍しい製法の釜炒りの勉強をしに台湾に行き、ついには現地で大きな釜炒りの機械を買って船便で運ばれたほどとのこと。

また、自宅近くに植えられていたものの、誰にも見向きもされず放置されていた「静印雑131品種」の大木の下で、種から大きくなっている元気な幼木を見つけて、早速それを育て初められました。

そんなこんなで、台湾からの釜炒り機と種から育った「静印雑131」が出会い、試行錯誤の末、この烏龍茶は生まれたということです。


 先代の息子さんである現茶園主の高橋一彰さんは、もともと飛行機の部品を作る会社で働かれていたそうですが、急斜面で空に手を広げるように葉っぱを揺らしている「実生静印雑131」の茶畑をスイスイ登って行かれる様は、とても頼もしく、これからずっとこの烏龍茶飲めるんだとなんだかホッとしました。

 あちこちの茶畑を案内してもらって、作業場に戻ると、素敵なもてなしが!浅く広い花器に苔や草花をあしらったものがデーブルに。これは一彰さんのお母様、先代の奥様のお手製とのこと。やっぱりなぁ。あの庭だもんなぁ。実生だもんなぁ。お茶のために船便だもんなぁ。「愛」でしかないよぉ。っとじんわりしていたところに、冷たい水出しの烏龍茶と、ガラスのお皿に冷えた葡萄が。

・・・この葡萄。・・・だよねぇ。愛だなぁ。愛。

静岡の茶市場で出会った烏龍茶は、鈴の茶に烏龍茶のラインナップを。私には愛をもたらしてくれました。「印雑のチカラ」ありがとうございます!



鈴の茶より、感謝を込めて。